日帰り手術
DAY SURGERY

経験豊富な
「皮膚腫瘍外科指導専門医」
による日帰り手術

皆さんがもし検診などで胃腸のポリープが見つかった場合、
おそらく胃(大腸)カメラの専門医のいるクリニックをインターネット等で探して受診されると思います。

それと同様に、皮膚のできものに気づいて切除を希望される時は、
皮膚腫瘍外科の専門医のいるクリニックでの手術をお勧めします。

皮膚腫瘍外科指導専門医で手術をしてもらうメリット

  • ①できた腫瘍の診断が正確

    視診だけでなく、超音波検査、ダーモスコピーなどを
    用いた高い診断力
  • ②手術適応の判断が適切

    手術した方がよいかしなくてよいのか、
    また手術はいつするのがよいかの適切な判断
  • ③手術法の選択が適格

    どのように手術したら、最も良い結果が得られるかという
    術式の選択が適格
    ※この点に関しては、詳しくは「術式の詳細」をご覧ください。
  • ④手術の痕がきれい

    熟練した繊細な技法による切開及び縫合術や
    術後のきめ細やかな創部ケア

当院では、専門医制度の発足当初から「皮膚腫瘍外科指導専門医」の資格を持つ院長自らが、
基幹病院並みの最新の医療機器を用いて、責任をもってすべての手術の執刀を行っています。

手術日について

手術は月~土曜日の診療時間内(平日は午後6時まで)に随時行っています。
手術は電話による予約も可能です。(初診の方の手術予約はお受けできません。)

手術時間について

手術時間は腫瘍の種類などによって異なりますが、概ね1,2センチまでの
小さな腫瘍なら20分、それ以上の大きな腫瘍でも30分程度です。

手術費用について

手術費用は保険適応の場合、3割負担の方で1,2センチまでの小さな腫瘍なら
5,000~6,000円、それ以上の大きな腫瘍では10,000~15,000円程度です。
(病理検査を希望される方は別途3,000円程度かかります。)

ここでは、よくある腫瘍を中心に当院で行っている手術法について詳しく説明します。

①粉瘤(アテローマ)

まず粉瘤ですが、一般の皆さんがよく「脂肪の塊ができて…」とおっしゃるのがこの腫瘍で、正確には脂肪でなく、皮下にできた皮膚の袋に角質がたまったものです。

この腫瘍には、大きく分けて2種類の摘出法があります。

一つはほかの腫瘍の摘出でも最もよく行われる術式で、通常粉瘤にはDelle(くぼみ)と呼ばれる皮膚の穴がありますが、その穴を中心に皮膚を船の形に切除して、中の袋を取り出す方法です。 この場合袋を取り出すためどうしても腫瘍の大きさと同じ長さの傷ができますが、確実に腫瘍を取り除くことができます。

もう一つは、最近ネット等でよく話題になっている「くり抜き圧出法」で、Delleを中心とした3~5mm程度の穴から中の袋を押し出す方法で、傷も小さくて済みますが欠点もあります。 過去に炎症を起こしたことがある場合や背中など皮膚の厚い場所では、うまく押し出せなかったり、押し出すのに難渋してかえって傷が大きくなったり、汚くなったりする事があります。

当院では、患者様のご希望を聞きながら、腫瘍の大きさや場所を考慮し、どちらかの方法を選択するようにしています。

②色素性母斑(ホクロ)

色素性母斑の切除も大きく分けて2種類の方法があります。

一つは通常の切除法で、ホクロを船の形に切除する方法です。この場合どうしても腫瘍の直径の2,3倍の長さの傷ができますが、確実に腫瘍を取り除くことができ、まぶたなどの場合は、レーザーで切除するよりかえってきれいになる場合が多いです。

もう一つはレーザーで焼きとる方法で、決して傷なしにとれるわけではありませんが、ニキビの痕のような傷が残る程度で不自然な感じの傷は残りません。

念のため悪性ではない事を確認したいときは、隆起している部分だけを切除して病理検査し、底面を再発しないようレーザーで焼く方法も選択可能ですが、少しでも悪性の可能性がある場合にはお勧めできません。
(レーザーを使用する場合には自費診療になります)

上記のようなことを踏まえ、患者様のご希望を聞きながら、腫瘍の大きさや場所を考慮し、最善の切除法を提案するようにしています。

③脂漏性角化症(いわゆる加齢性のイボ)

「イボを取ってほしい」とおっしゃって来院されることが最も多いのがこの腫瘍で、実際に我々専門家でもウィルス性のイボと見分けがつかないこともあります。

極く小さいものであれば液体窒素による凍結治療も可能ですが、凍結療法はどこまで凍らせるかという調節があまりできないので、当院では皮膚を削る特殊な医療機器を用いて腫瘍を削り取る皮膚剥削術をお勧めしています。
少しでも悪性を疑う場合や大きくて深そうな場合は、通常の切除術を行うこともあります。

④脂肪腫

皮膚の下に少しプニュプニュとした柔らかいしこりができる腫瘍で、脂肪細胞の一つ一つが大きくなった腫瘍で、多くの場合は良性です。

手術法としては腫瘍の直上を切開して腫瘍を取り出すしかないので、腫瘍の大きさとほぼ同じ長さの傷ができますが、皮膚自体を切除することはないので比較的きれいな傷になります。

⑤毛細血管拡張性肉芽腫(化膿性肉芽腫)

いわゆる「血豆」のような腫瘍で、何らかの外傷(ただのひっかき傷のこともあります)がきっかけとなってできる紅い腫瘍で、ちょくちょく出血し日常生活に支障をきたします。

手術法としては、通常通りに船型に切除することもありますが、多くの場合電気メスやレーザーを用いて焼きとることで根治可能です。10分程度で治療可能なので、早めに受診することをお勧めします。

⑥日光角化症

我々のようなクリニックで最もよく遭遇する極く早期の皮膚がんで、病理学的には上皮内扁平上皮癌と定義されています。

ご高齢の方の日に当たる場所によくできる一見湿疹のような「少し凹んだような赤み」で、ステロイドを長い間塗ってもなかなか治らない場合は、一度専門医を受診してみてください。

腫瘍を取り残さないように少しだけ大きめに切除するだけで根治可能で、転移の心配もありません。

⑦ボーエン病

一見するとシミのような茶色い斑点の腫瘍が、日光角化症と同じく病理学的には上皮内扁平上皮癌です。

専門医のいるクリニックを受診していただければ、ダーモスコピーという診断機器を用いて診断すれば、90%以上の確率で診断可能です。

治療法は日光角化症とほぼ同じで、少し大きめに切除するだけで大丈夫です。

⑧パジェット病

陰部によくできる一見「ただの赤いただれ」のように見えるアポクリンという汗腺からできた皮膚がんです。脇や乳首にもできることがあります。

「いんきんたむし」だと思って薬を塗っていたが、だんだん拡がってきたような場合は、自己判断せずに専門医のいるクリニックを受診してください。

この腫瘍は周りに拡がりやすく、切除する範囲も大きくなることが多いので、多くの場合、診断が確定した時点で基幹病院での入院手術を勧めることになります。

⑨悪性黒色腫

いわゆるホクロのがんと言われるもので、元々ホクロがあったが「急に大きくなってきた」、「周りに黒くしみ出してきた」、「出血するようになった」などの症状があるときは早めに専門医を受診してください。

診断を確定するには、一部組織を取って調べる生検術が必要ですが、場合によっては生検しない方が良い場合もあるので、専門医とよく相談してください。
この腫瘍も診断がつき次第、ほとんどの場合基幹病院での入院手術を勧めることになります。